虚室生白
施設名の由来は荘子の「虚室生白」および「無何有の郷」という言葉にある。施設は薬師山の高台、薬王院温泉寺の本堂の跡地に建っている。建築家は竹山聖。円庭には原研哉によるアート作品「蹲(つくばい)方寸」が備えられている。
「虚室生白」は、室がからっぽであるほど光が満ちるという意味を持つ。その言葉を名に選んだ宿が、薬王院温泉寺の本堂があった場所に建っているという事実は、設計の前提に静けさと余白が置かれていることを示す。建築は竹山聖が手がけ、円庭には原研哉による「蹲(つくばい)方寸」が置かれる。名・土地・設計・庭の作品が、いずれも同じ方向を向いている。
AKUMATOは「広く浅くではなく、狭く深く」を見る。思想を掲げる宿は多いが、この宿は名称の出典と立地の履歴という二つの独立した事実が同じ地点に重なっている。どちらか一方だけなら他にもあり得る。両方が揃っていることが、この宿でなければ成立しない理由である。
こんな旅に:建築と庭を目的に来て、部屋で何もしない時間を積極的に選べる方に薦める。人数を増やさず、静けさを旅の条件にできる方に向く。
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