四千五百坪に十三棟
敷地面積は4500坪である。離れの数は13棟である。温泉はすべて貸切である。施設名は「葦の葉は一本では立たない」に始まる理念に基づき、命名の意図は宿に集まる多様な人々が共鳴できる場所でありたいという思いからである。食事処「馳走庵」の建物は築150年のものを新潟から移築したものである。
敷地の広さに対して棟数が極端に少ないため、離れと離れのあいだに距離が生まれる。温泉がすべて貸切であることと合わせると、到着から出発まで他の客と動線が交わらない時間が長くなる。静けさが心がけやマナーではなく、敷地の使い方として確保されている。名前の由来である「束ねる」という理念は、人を集めることではなく、個々が独立したまま同じ場所にいられることとして読める。
AKUMATOが評価するのは、静けさを謳っていることではなく、静けさが面積と棟数という数字で裏づけられていることである。同じ敷地に客室を増やせば収容は上がるが、この比率は成立しなくなる。その選択をしていないことが、この宿の理由になる。
こんな旅に:その土地に行きたいのではなく、他の客と顔を合わせずに過ごせる離れを探している方に薦める。湯を巡るより、同じ場所に留まる滞在に向く。
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